DSの3DRPG「エルミナージュDS Remix ~闇の巫女と神々の指輪~」の感想です。 記事の性格上、ネタバレなどを含む可能性があります。

システム

3DダンジョンRPGです。 どこかのダンジョンのどこかのランダムな5箇所に「指輪」があるので探して、見つけたらラスボスの待つダンジョンに挑んでラスボスを殴る、というわかりやすいアレです。 「コンパス」というアイテムに、ゲーム中のイベントをクリアすると手に入る「フェイム」を捧げることで「コンパス」が指輪のありかを示すようになるので、これらのイベントをこなす流れでダンジョンを探索していく、というのが基本的なゲームの進行です。

キャラメイクは種族9+3種、クラス16種、性格が善・中立・悪の3種。
種族がシナリオ進行で最大+3種されるのですが、種族が追加されるであろうタイミングが比較的終盤になりやすいので、追加種族は基本的には「使いたければ使えばいいよ」程度の立ち位置かなと思います。

なお転職は可能、アイテムを使わない転職では呪文のみ持ち越します。
アイテムを使うと経験値も持ち越したり、性別の壁を突破したりします。

個人的に特筆すべき点は、顔アイコンを任意に選べることかと思います。
キャラメイクありだとうれしいやつ!

ダンジョン潜って敵を倒してアイテムを入手して、街に戻って休んでレベルを上げて……の単純作業の繰り返しです。 なのですが、ダンジョンごとに特徴のあるマップや仕掛け、戦闘にしても特徴あるクラスごとのコマンドと遊ばせる要素が満載です。

周回が前提になりますが「2週目以降のレアアイテム入手率増加」などコンプリートの敷居を下げるためのシステムや、イベントクリアのためのヒントをくれる「ヒント屋」などゲームに詰まりにくくなる仕組みもあり、システム的にはかなり親切という印象を受けます。

グラフィック

このゲームにおけるグラフィックはあくまで「イメージの手助け」以上のものではない、と思っておくと間違いがない、と思われます。

まずモンスターのグラフィックが素敵です、カッコいい。 大型モンスターに遭遇すると画面が上のほうにスライドする芸の細かさもたまらないです。

街施設のグラフィックも書き込まれているのですが、ウインドウに隠れてしまいスタッフロールなどでしか前景を見られないのは惜しいです。

ダンジョンのグラフィックは荒いので、「精緻な3DCGが好きなんだ!」という方には少々目に付くかもしれません。

キャラクターの顔グラフィックが選択可能、というそれ自体とても素晴らしいのですが、わかりやすくかわいいかっこいい感じではないので (わりと地味&渋い)、その辺は趣味にもよりけりになるところはあるかもしれません。

サウンド

ゲームの雰囲気には合った比較的静かめな音楽が多いです。

シナリオ

「闇の巫女」なるものが世界を滅ぼそうとしているようなので、世界を守護する「指輪」を取り戻し、闇の巫女を倒すことを目的とします。 シンプル。

……が、その背景にある設定には、シンプルどころの騒ぎではない設定が見え隠れしています。 NPCたちや隠しダンジョンの資料などではその背景をバンバンに匂わせてくるのですが、結局どういうことなのか、という明確な回答は示してきません。

個人的には好きな設定の投げ方です。えり好みはあるかもですが。

総合

いまだかつてないシステムやシナリオ、秀麗なグラフィック、聞き惚れるようなサウンドがあるわけではありません。 ありがちなシナリオに名作を踏襲したシステム、必要な程度のグラフィックに必要な程度のサウンド。

なのですが、それらを「過不足なく」ちゃんと作れば「非常に」良作になる。
そんな感じのゲームだと感じました。

もともとPS2版の移植であるため、PS2版を踏み台にして出来たバランスなのかも分かりません。 が、移植する際に新ムービーだとかキャラ間の会話イベントだとかのとってつけたような要素に頼らないのは個人的に好感度が高いです。

続編がPSPということでロード時間とか不安だったりもしますが、これは続編にも期待を寄せたいところです。