PSPの3DダンジョンRPG、「剣と魔法と学園モノ。」の感想です。 記事の性格上、ネタバレなどを含む可能性があります。

システム

可愛らしいグラフィックで3DダンジョンRPG……と、なんとなく「世界中の迷宮」ユーザーの取り込み目的を彷彿とさせつつ内容的にはまんまウィザードリィ的な。 というかちょっと調べたカンジ中身は丸々ウィザードリィシリーズのある一作と同じらしいですね。よくないやつだ。

まず特筆すべきは、取扱説明書が取り扱いを説明出来ていないこと。

  • 魔法球の機能が説明されていない (特に、ごみ箱の機能)
  • 迷宮内でセーブした場合の再開方法が分かりにくい
  • 「迷宮」の表記ゆれ (「迷宮」と記載したり「ロード」と記載したり)

ざっと目に付く範囲だけでもこのくらい。 取扱説明書がアレでも操作が可能なゲーム内のインタフェースを褒めるべき場面なのでしょうか?

キャラは種族10種類、学科(クラス)が10種類。 選択できる学科は能力値と性格に依存します。

PT編制可能人数は6人まで、で性格が異なるキャラも同時にPTに組み込めます。 が、「相性」と呼ばれるパラメーターが存在し、善-悪など相性の悪いキャラでPTを組むと能力値が低下するようです。 相性はゲーム中で「合体技」を使用することで上昇していきますが、それでも元々相性のいいPTで組むほうが (特に序盤は) 楽ではあります。

基本的に「クエスト」の受領でストーリーが進みます。 クエストを受領し、条件がある場合はそれを満たせば、具体的な指示などが得られます。 あとは指示通りにダンジョンを攻略していきます。

装備アイテムは学園などで購入も出来ますが、それよりも宝箱などから入手した装備廃品と素材を「錬金」することで入手する機会が多いと思われます。 錬金に必要な素材は (ある程度のパターンはありますが) 不明なので、「錬金書」と呼ばれるレシピを購入して発見していく形になります。 錬金術師のキャラクターならばキャラのLv+5までのアイテムを無料で、各学園ではすべてのレベルのアイテムを有料で錬金することが出来ます。

遺跡内で入手したアイテムは未鑑定状態のため、鑑定しなければ使用することも売却することも出来ません。 鑑定は司祭のキャラクターが無料で、学園内でやはり有料で行うことが出来ます。 司祭が行った場合は確率で失敗し、失敗するとまた確率でバッドステータスの「恐怖」が付加されます。 ……が、「恐怖」は数歩歩けば回復するバッドステータスなので正直ペナルティというほどのペナルティでもありません。

全体的に単純作業っぽいものが多くなりがちかなぁ、という印象は拭えないところです。

グラフィック

キャラ絵は素直に可愛いと思います。 ぽっと出のネコミミモンスターにもちゃんとグラフィックが付けられている、別の学校に到着すると別パターンのグラフィックも使うことが出来るなど、イラストはけっこう力が入っている印象を受けます。

一方でイラストの時点でなにがしか武器を持っている種族も少なくなく、イラストと実際の種族の乖離が起きてしまうフシは否めません。

サウンド

学園や戦闘中、メニュー画面展開時にはBGMが流れますが、メインであるダンジョン探索中はSEしか鳴らないようです。 いちおうCVもついてますが、壁にぶつかったときと、攻撃・被弾時など、そんなにガンガンに喋るわけではないことに留意です。

シナリオ

冒険者を養成する学園の生徒がなんやかんやのうちに世界を救うゲーム。

生徒という立場上、教員や他の生徒の指示をひたすら聞いてこなすおつかいゲーという印象は正直拭えないかな、と思います。

登場するNPCは比較的アクが強め、かつオタク的なテンプレートに近いキャラが少なくなく、えり好みはするかも、という印象です (私はあまり好きではない)。

まとめ

全体的に雑さが否めないフシがあります。

面白くないわけではないのですが、淡々と進める作業ゲーではあるので、好みはあると思います。 ちょっとゲームの方向性と、とってつけたように見えてしまうイラストがかみ合っていないのでは……という感は否めません。

あと名前に「ヴ」が使えないのが地味に困りました。